
ナレッジ › 練習
練習
新しいサインを身につける、ステップごとの練習法
ウォームアップ、書き順の把握、なぞり書き、そしてスピードづくり。新しいサインを本当に自分のものにするための7日間プランと21日間プランを紹介します。
新しいサインを覚えるのは、スポーツで新しい動きを覚えるのに似ています。最初は一画ごとに考えなければなりませんが、ある日ふと、手が勝手に書いてくれるようになります。その間をつなぐのが練習です。ただし、練習なら何でもいいわけではありません。ただ繰り返すだけでは身につきません。正しい順番と、短く規則的な練習が身につけてくれます。このガイドでは、ローマ字(ラテン文字)で書くサインを前提に、ウォームアップから書き順、なぞり書き、スピードまでを順に追い、7日間と21日間の練習プランを紹介します。伸び悩んだときの対処法、安定しているかの確かめ方、左利きの人のポイントも取り上げます。
「とにかくたくさん書く」がうまくいかない理由
多くの人は、紙を1枚用意して新しいサインで埋めるところから始めます。1ページ書き終わるころには手が疲れ、最後の数行は最初より崩れています。理由は単純で、疲れて雑になった繰り返しも、よい繰り返しと同じように覚えてしまうからです。20回目あたりで文字同士がぶつかり始めたら、手はそのぶつかった形まで練習していることになります。
サインは、短くて速い一連の動きです。それを自然に流れるようにするには、手が3つのことを覚える必要があります。どの線の次にどの線が来るか、全体のバランス(比率)、そしてペンが進むスピードと勢いです。これらは一度にではなく、ひとつずつ覚えるのがいちばんです。まず順番、次にバランス、最後にスピード。いきなり速く書き始めると、間違いが速くなるだけです。

手が覚えるのは、書こうとしたものではなく、繰り返したものです。
ウォームアップ:大事な2分間
冷えてこわばった手は、小さく角ばった線を書きます。力の抜けた手は、丸くなめらかな線を書きます。サインに取りかかる前に、2分だけ手にリズムをつかませてあげましょう。必要なのは方眼紙か罫線入りの紙と、実際にサインするときに使うペンだけです。
- 1円と楕円。 ペンを離さずに小さな円を10〜15個横に並べ、続けて同じ数の斜めの楕円を書きます。完璧な形ではなく、大きさがそろっていることと、動きが途切れないことを意識してください。
- 2波とループ。 筆記体の「e」のようにつながったループを1列、続けて「l」のような背の高いループを1列書きます。続け書きの上下運動に手を慣らす準備です。
- 3長くまっすぐな線。 指ではなく手首から、横向きとやや斜めの線を何本かすばやく引きます。締めのストロークのリハーサルだと思ってください。
- 4リセット。 手を下ろして軽く振り、ひと呼吸します。肩が上がっていたら、すとんと下ろしましょう。

毎日の短い練習:習慣はこうして身につく
動きは、短く何度も出会うほど定着します。週に1回1時間より、毎日5〜10分のほうが効果的です。毎日その動きを思い出す必要があり、その「思い出す」ことこそが動きを強くするからです。「マッスルメモリー」は魔法ではありません。よく繰り返す動きほど、だんだん意識しなくてもできるようになる、というだけのことです。
- 今ある習慣にくっつける。 たとえば朝のコーヒーや、仕事終わりのひととき。決まった時間がないと、つい飛ばしてしまいます。
- 小さく保つ。 手が疲れてからではなく、まだ調子がいいうちにやめましょう。
- チェックをつける。 手帳にチェックをひとつ入れるだけのことですが、続いている記録が見えるとやる気が出ます。
- まとめてやらない。 1日休んでも、翌日に倍の時間練習する必要はありません。中断したところからプランを続ければ大丈夫です。

書き順:サインをパーツに分ける
一気に書く前に、自分のサインが何でできているかをよく観察しましょう。ペンはどこで紙に着くのか。どこで離れるのか。最初の線はどちらへ向かうのか。長めのサインはたいてい3つか4つのパーツに分けられます。頭文字、つなぎの線または2つ目の大文字、名前の残りの部分、そして締めです。どこかに不安があるなら、頭文字や締めのストロークのガイドで詳しく解説しています。
- 1全体を見る。 お手本を一度書くか眺めて、どこで始まりどこで終わるか、ペンが何回離れるかを確認します。
- 2線に番号をふる。 お手本のコピーに、各線の書き始めの位置に1、2、3と小さく番号を書き込みます。方向が大事なところには矢印も。これがあなたの地図になります。
- 3パーツごとに練習する。 頭文字だけを5回、締めだけを5回。いちばん難しいパーツには多めに時間をかけます。
- 42つずつつなげる。 頭文字とつなぎの線、つなぎの線と続きの部分、というようにペアで練習します。
- 5最後に全体を。 番号つきのお手本の横で、全体をゆっくり書いてみます。
たとえばYuki Tanakaさんの例です。彼女のサインは、大きなループのある「Y」から始まり、続く「uki」を経て、少し小さめの「T」、なめらかな「anaka」、そして横に伸びる締めへと続きます。つまずいていたのはつなぎ目でした。「uki」のあとで毎回ペンを離してしまい、「T」の書き始めの高さがそのたびに違っていたのです。その1か所のつなぎだけを1日10回練習したところ、3日でサイン全体のバランスが整いました。Calligraのレッスンも同じ考え方で、完成形をうっすら背景に表示しながら、1文字ずつ、1画ずつ進みます。
なぞり書き:お手本を手にたどらせる
なぞり書きは、正しいバランスを手に感じさせるいちばん手軽な方法です。薄いトレーシングペーパー、クッキングシート、あるいは窓に当てたコピー用紙でもかまいません。お手本を下に敷き、書き順を守りながらペンで線をたどります。
- 正確な大きさと間隔がわかる。
- 線の方向と順番を体に覚えさせられる。
- 迷わずに書けるので、最初のうちの自信につながる。
- 手がためらったり揺れたりする場所がわかる。
- スピードを身につけること(慎重にゆっくりたどるため)。
- 何も見ずにサインを書けるようにすること。
- やりすぎると逆効果になる。手がお手本を待つようになる。
- 自分ひとりでどれだけ安定して書けるかを教えてくれること。

ゆっくりから速くへ:スピードを上げていく
サインの個性は勢いから生まれます。ゆっくり描いたサインは、硬くて震えて見えます。ですから目標は、ゆっくり書いたきれいな形ではありません。速く書いても毎回同じに出てくる形です。ゆっくり書くのは、その最初の一段にすぎません。
- 1ゆっくり。 どの線でも、次に何が来るかわかっているくらいの速さで書きます。この段階で順番とバランスを固めます。3〜5回。
- 2中くらいの速さ。 少しだけ速くしますが、崩れるほどではなく。ループが閉じているか、つなぎ目が狙った位置に来ているかを確認します。
- 3本番の速さ。 宅配便の受け取りや契約書の最後にサインするときと同じように、一気に、手直しなしで書きます。
- 4一段戻る。 本番の速さでいつも同じところが崩れるなら、そのパーツだけを中くらいの速さで練習してから、もう一度速く書いてみます。
ひとつだけ、守ってほしいルールがあります。書いたサインをあとから手直ししないこと。ループが変になっても、そこだけ描き直さず、最初から全部書き直しましょう。そうすれば手はいつも、継ぎはぎではなく完全な流れを練習することになります。
目指すのは、ゆっくり書いたきれいなサインではなく、速く書いても毎回同じに出てくるサインです。
7日間プラン:最初の1週間
1週目の目標は、書き順を確実にすること。週の終わりに、中くらいの速さで何も見ずにサインを書けるようになっていれば十分です。ウォームアップ込みで1日10分あれば足ります。
- 1日目:顔合わせ。 ウォームアップをして、お手本を観察し、線に番号をふり、お手本の横でゆっくり5回書きます。何回かなぞり書きをしてもかまいません。
- 2日目:パーツ。 ウォームアップのあと、頭文字、つなぎ、続き、締めをそれぞれ5回ずつ。難しいパーツは倍の回数を。
- 3日目:つなぎ目。 パーツを2つずつつなげてから、サイン全体をゆっくり5回。お手本を少し薄くして、何回かなぞり書きも。
- 4日目:はじめて何も見ずに。 お手本の横で2回書いたら、お手本を隠して何も見ずにゆっくり3回。お手本と見比べて、どこが違うかを確認します。
- 5日目:中くらいの速さ。 お手本の横でゆっくり、次に中くらいの速さで書き、そのあと何も見ずに中くらいの速さで5回。
- 6日目:チェック。 何も見ずに中くらいの速さで10回、縦に並べて書き、まとめて眺めます。いちばんばらつきが大きいパーツに印をつけましょう。
- 7日目:振り返り。 ウォームアップをして、苦手なパーツを集中練習し、本番の速さで5回書きます。この紙はとっておきましょう。1週目の記録になります。
21日間プラン:意識しなくても書けるまで
1週目が終わると、たいていの人は新しいサインを書けるようになっていますが、まだ考えながら書いています。続く2週間は、その意識を少しずつ手放していく期間です。頭が別のことを考えていても、手が新しい形を書いてくれるようにするのが目標です。3週間という数字に魔法はありません。取り組みやすい目安というだけです。
- 1週目(1〜7日目):順番。 上の7日間プランです。書き順を確実にし、中くらいの速さで何も見ずに書けるようになるのが目標です。
- 2週目(8〜14日目):スピード。 毎日ウォームアップをして、中くらいの速さで5回、本番の速さで5回。1日おきに10回を縦に並べて書き、どれだけ似ているかを確認します。なぞり書きは、どこかのパーツが大きくずれてしまったときだけにしましょう。
- 3週目(15〜21日目):実生活で。 新しいサインを日常で使い始めます。買い物メモ、ノート、誕生日カードなど。立ったまま、膝の上に置いたノートで、いろいろなペンで練習しましょう。練習時間は5分に減らしてかまいません。
- 22日目以降:メンテナンス。 試し書きしたサインがそろってきたら、週に2〜3回、数分ずつで十分です。古いサインが戻ってこないかだけ気をつけておきましょう。
Kenji Ogawaさんは1週目を順調に終えましたが、2週目に入ると、本番の速さで書いたときに名字の「g」のループがどうしても開いてしまいました。最初からやり直す代わりに、毎回の練習をループだけ5回書くところから始めるようにしたところ、3週目にはループがきちんと閉じるようになりました。途中で銀行や職場のサインも新しいものに切り替えるなら、サインを変えるときのガイドも参考にしてください。
安定してきたかを確かめる方法
サインが毎回まったく同じである必要はありません。手書きのサインで完全に同じものはありえないからです。大事なのは、同じサインだとひと目でわかること。特徴的なパーツ、バランス、向きが同じであることです。確かめるには、何回分かを並べて見るのがいちばんです。
- 110回を縦に。 何も見ずに本番の速さで、無地の紙に上から下へ並べて書きます。
- 2書き始めと書き終わり。 頭文字の書き始めに、縦の線を軽く引いてみます。だいたいそろっていますか。締めはいつも同じ位置で終わっていますか。
- 3高さと幅。 頭文字の高さをほかの文字と比べます。あるときは2倍、別のときは1.5倍というように違うなら、そのパーツは個別に練習が必要です。
- 4傾き。 頭文字の縦の線に定規を当ててみます。左に傾いたり右に傾いたりしているなら、少しだけペースを落として手首の位置に注意しましょう。
- 5ループとつなぎ目。 どれもきちんと閉じていますか。すべて同じ位置でつながっていますか。

画面上でも練習するなら、Calligraの練習モードが1回ごとにスコアをつけてくれるので、安定度の変化を数字でも確認できます。両方を使い分けましょう。すばやいフィードバックには画面を、実際にサインするペンには紙を。ペン選びについてはペンとインクのガイドで解説しています。
伸び悩んだとき:停滞期と後戻り
ほとんどの人が、目に見える上達がないまま何日も過ぎる時期にぶつかります。サインが悪くなっているわけではないけれど、よくなってもいない。それはごく普通のことです。最初の伸びに比べて、細かな調整には時間がかかるからです。そんなときに必要なのは、練習量を増やすことではなく、練習のやり方を変えることです。
- 焦点をしぼる。 10回の試し書きでいちばんばらつきが大きいパーツを見つけ、1週間そこだけに集中します。
- 速さを変える。 いつも速く書いているなら、2日間ゆっくり書いてみます。いつも慎重すぎるなら、もっと大胆に、勢いをつけて書いてみましょう。
- 環境を変える。 違う紙、違うペン、違う高さの椅子。ある条件でしかうまくいかないなら、まだ本当には定着していません。
- 休みをとる。 1〜2日空けたあとのほうが、以前よりうまく書けることはよくあります。
- 1日目を振り返る。 最初の日の紙を今日の紙の横に並べてみましょう。たいていは上達がちゃんと見えるはずです。1日単位では気づきにくいだけです。
左利きの人と、そのほかのケース
左手で書くことは不利ではありません。いくつかの点に、少し違う注意が必要なだけです。いちばん大事なのは、手が乾いていないインクの上をこすらないこと、そして手首を内側に曲げて書かなくてすむことです。手が行の下に楽に置けるくらいまで、紙を時計回りに回しましょう。速乾性のインクや、にじみにくいペンを選ぶのもおすすめです。
- 左利きの人。 左から右へ長く伸びる締めのように、書きにくい方向の線があるなら、ペンを押すのではなく引く動きになるようにデザインし直してかまいません。
- 長い名前、2つの姓。 「Emma Sato-Miller」のように姓が2つある場合は、一度に全部を覚えようとしないこと。2つの大文字と、そのあいだのつなぎを別々に練習しましょう。残りの部分は省略してもかまいません。
- ローマ字のつづり。 「Ōno」「Ohno」「Ono」のように、長音の書き方でつづりが変わる名前があります。「ō」のマクロン(長音記号)は別の動きになるので、最後に後回しにされがちです。パスポートと同じつづりに合わせると決めたら、毎回そのつづりで、記号を入れるなら毎回同じタイミングで書き加えましょう。
- とても短い名前。 「Ai Ono」のような短い名前では、バランスと締めが個性を担います。線が少ないぶん、小さな変化も目立ちます。

どちらの手で書く場合も、ペンは軽く持ちましょう。人さし指の爪が白くなったり、ペンの跡が指に残ったりするなら、力が入りすぎています。軽く握るほうが線がなめらかになり、疲れにくくもなります。
覚えておきたいひとこと
ウォームアップをして、パーツに分け、なぞり書きをして、それからゆっくりスピードを上げていく。1回の長時間練習より、1日数分の集中した練習を3週間続けるほうが効果的です。終わるころには、手が自然に新しいサインを書いてくれるようになっています。
よくある質問
1日にどのくらい練習すればいいですか?
毎日続けられるなら5〜10分で十分です。そのうち1〜2分をウォームアップに使いましょう。長すぎる練習は手を疲れさせ、疲れた状態の試し書きまで覚えてしまいます。もっとやりたいなら、短い練習を2回に分けてください。
新しいサインが定着するまで、どのくらいかかりますか?
人によっても、サインの複雑さによっても大きく違います。1週目の終わりには何も見ずに書ける人が多いですが、急いでいて何も考えていないときにも新しい形が出てくるようになるには、たいてい数週間の継続的な使用が必要です。21日間プランは目安であって、締め切りではありません。
紙と画面、どちらで練習すべきですか?
どちらにも意味があります。画面ではすぐにフィードバックが得られます。たとえばCalligraの練習モードは、1回ごとにスコアをつけてくれます。紙では、実際にサインするときのペンと書く面で練習でき、インクや摩擦、紙の感触を覚えられます。
サインが毎回同じにならないのは問題ですか?
問題ありません。手書きのサインがピクセル単位で一致することはありませんし、その必要もありません。大事なのは、特徴的なパーツ、バランス、傾き、締めが同じサインだとひと目でわかることです。
急いでいると古いサインが出てしまいます。どうすればいいですか?
最初の数週間は、ほとんどの人に起こることです。新しいサインを日常のいろいろな場面で使い、慎重に書くだけでなく速く書く練習もしましょう。古いサインを書いてしまったと気づいたら、そのあとに新しいサインを3回書いてください。銀行などの公式な登録については、手続きが機関や国によって異なるため、新しいサインの見本に何が必要かを直接確認してください。
左利きです。別のプランが必要ですか?
プランは同じです。紙に角度をつけ、速乾性のインクを選び、手首を大きく曲げていないかに気をつけるだけです。書きにくい方向の線があれば、サインを自分の手に合わせて変えてかまいません。
3週間ずっとなぞり書きを続けてもいいですか?
おすすめしません。なぞり書きは最初のうちバランスをつかむのに役立ちますが、長く続けすぎると、手がお手本を待つようになってしまいます。お手本は少しずつ薄くしていき、2週目からは、どこかのパーツが大きくずれたときだけ使いましょう。
あなたの名前で試してみましょう
こちらもおすすめ
ナレッジ
練習左利きのサイン:持ち方、傾き、紙の置き方
左手で書くのはハンデではなく、少し違うコツが必要なだけです。ペンの持ち方や紙の角度から、傾き、にじみにくいペンまで、落ち着いた美しいサインに必要なことをまとめました。
練習ごく小さな欄へのサイン:カード、申込書、小切手
カード裏の細い署名欄、申込書の小さな枠、表のセル。いつものサインが急に収まらなくなります。別のサインにしてしまわずに、小さく書くコツを紹介します。
練習サインの練習シート:作り方と上手な使い方
ダウンロードは必要ありません。A4の紙1枚、定規、鉛筆があれば十分です。ガイドライン、実際の欄に合わせた枠のサイズ、行ごとのレイアウト、そしてシートに仕事を任せる7日間のルーティンを紹介します。





